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1: mdarg (1427) ☗7☗9☗32017-07-15 13:12
普通の自戦記 [先手嘘矢倉に忍者銀] *現在、なぜか棋譜再生だけができないトラブルが続いており、コメントを頂いても局面確認ができません。ごめんなさい。 このところ不甲斐ない将棋が続いていたので、心を入れ替えてしっかり指そうと意気込んで望んだ一局。 24:先手嘘矢倉に後手がつっかける格好。前回の教訓をすっかり忘れて銀を上がる。先に角引きだってば。 http://system.81dojo.com/ja/kifus/2363657 29:先手は攻めを急かす構えか。 33:ここで代えて45歩なら、不用意に上がった銀が負担になっていたところ。 42:後手番なので陣形に多少の無理はあるが、とりあえず捌きはしたので、形勢に差がつくほどではないもののこちらが指しやすそうな局面。 43:これは疑問手だった。ひと目は79玉だが、ソフトの解析によると45歩も有力、開き直って68玉も悪くないよう。 44:相当悩んだ。候補手としては、49角打、75歩打、55歩、88歩打、33桂、39銀打、あたりが考えられ、べらぼうに手広い。優劣は微妙なようで、ソフトで解析させても推奨手が食い違ったり入れ替わったりする(49角打と75歩打のどちらかが最善っぽい)。49角打は少しつかみどころのない感じだし、このところのテーマだった真っ直ぐ指すに従い、本譜は75歩打を選択。 47:注文通りの形になり少し助かったか。 50:角を打つタイミングにも注意していたのだが、打つならここだった。 53:相手の方に受けのミスが出て優勢に。いつもはこの辺から緩手疑問手を連発して最後には大悪手というパターンが多いので、改めて気合を入れる。 59:これは寄った、と思いじっくり時間を使った。 62:「用意の手」でノータイムで指しているが、ソフトによると代えて58金が少し勝るらしい。 63:言われてみると、たしかにこの形になったとき少し遅いなぁ、とは思うが、どうせ自玉は安全だし、そこまでキレキレの終盤は指せない。 64:一気の寄せがあったらいいな、と思い読んでみるが、たとえあっても指せなさそうなので予定通りゆっくり寄せる。代えて57銀打や89銀打もあるが、好みの問題だと思う。 67:読みになかった手。 68:寄り筋を読んでいるのではなく、状況的にこれが最善手のひとつだろうということを確認しているだけ。ソフト相手の2枚落ちで培った指し方で、明らかに優勢であれば具体的な順は読まずお得な手を選び続けるのが結果的に安全確実なことがある。 69:当然反撃も来るのだが、こちらが損な手を指していない以上、勝勢は揺らいでいないのだという前提で指す(将棋というゲームの性格上、自分が悪手を指さないのに勝手に悪くなることはない)。 70:ということで「形で」龍を切った(ソフトの解析によると先手受けなし)のだが、代えて68金でも勝勢ではあるし、実は代えて68銀でも受けなしの局面だった。 73:これは諦めの一手かなと思ったのだが。 77:相手の方も瀬戸際で踏ん張る。 78:必至をかける。 79:おそらく勝ってはいるが、合駒を使わされると詰めろが消えるし、ここまで粘ったなら王手ラッシュもかけるところかな、と思っていたところに詰まされる手。 82:落ち着いて詰ますことができた。 このところ酷い将棋が続いていた中では、それなりにうまく指せた一局だと思う。しかし、やはりまだ序盤が荒っぽいというか、不用意な手が多いことを反省したい。序盤がしっかりしていれば真っ直ぐな手で攻められるし、真っ直ぐな手で寄せれば終盤も指しやすいはずだと思う。
2: tomycar (2330) ☗10☗9☗62017-07-16 15:42
はじめまして。 mdargさんの奮戦記を楽しみに待っている一人です。 将棋を愛し、存分に楽しまれているお心が滲み出ている文才に脱帽です。 複数のコンピュータ先生にも恵まれているようで、羨ましい限りです。 いろいろな方がいらっしゃるので、ご投稿へのコメント控えていましたが、mdargさんは宜しいようなので、 今回私なりのコメントを幾つか考えて居ります。 しかしながら、哀しいかな文才に乏しい私は、どうしても長~~い文章になってしまいます。 そこで、こういう所のコメント欲しいなあ、というご要望頂ければ、ポイントを絞れそうなので、宜しければ教えて下さい。
3: mdarg (1427) ☗7☗9☗32017-07-18 14:10
はじめまして。コメントして頂いて嬉しいです。 早速ですが、欲しいコメントというとやはり中盤、本譜でいうと44手目に何を指したいかとか、もう少し戻って29に代える手はどうだったかとか、その辺りでしょうか。正着と失着がクッキリ分かれがちな終盤は「こう指すと形勢がこのくらいだった」ということを確認しただけでお腹いっぱいなことが多いです。その少し前で、優勢はやや紛れるけどこっちの方が真っ直ぐ寄るとか、そいうった取捨をするあたりには興味があります。 戦形で現在お気に入りなのは、角交換のある対抗形(とくに対ゴキゲン中飛車丸山ワクチン)での玉頭位取りと、対先手中飛車の居飛穴あたりです。もともと穴熊の将棋は(居飛車の必修科目だと思うので指せるように練習してるけど)あんまり好きじゃなかったのですが、対先手中飛車は最近面白いなと思うようになってきました。 コメントのスタイル的に今挑戦しているのは、 http://system.81dojo.com/ja/kifus/2351466 このコメントなんかがそうなんですが、リンク機能を活用するというか、類似局面とかプロの棋譜とか他の人の解説なんかを、読んでる人が辿れるようにできないかなということです。 いろいろ挙げましたが、コメントはどんなものでも歓迎ですし、楽しく読んでいただいていることも嬉しい限りです。今後ともお気軽に声をかけて頂けたらと思います。ありがとうございました。
4: tomycar (2330) ☗10☗9☗62017-07-19 05:21
コメントありがとうございます。 いろいろあって盛り沢山なので、いっぺんに全部だと消化不良になっては元も子もありません。 そこで今回は、ポイントを絞って頂いた具体的な本譜について、あくまでも私見をとりまとめてみます。 ○29手目に代える手は? ;ここはとても手が広い局面で、善悪はともかく対局者の棋風が最も現れやすいと思います。 事実、前2手2527から珍しく少考しているので、攻 or 守の方針を立てているのでしょう。 本譜▲68角~56歩の意味は、一旦守ってから反撃、の方針で普通に考えれば▲45歩を含みにしている、 となりますが、驚いた事に43▲77桂だったわけです。 つまり25~43手目まで一貫して手の流れを継承しており、▲77桂そのものは立派な手だと考えます。 更には、26△44銀が充分役に立っていて、大いに意味のある手だったので驚きました。 〈この項の主旨から逸脱するので、この先は次項に繰り越します〉 =他に専守防衛▲79玉・攻撃準備25歩・直接攻撃45歩などあり、どれも一局。 なお初稿コメントの33手目▲45歩は、1歩を入手したタイミングでピッタリの様ですが、 以下△同銀▲46歩△86歩▲同歩△同銀▲同銀に△88歩が痛烈で、▲77桂△86角▲87歩△64角▲45歩△89歩成 となり優劣不明と思われ、矢倉の急所33▲76歩は本手だと考えます。 私が対局中で▲45歩を着手するならば、29手目の考慮で見送りか否かを決断します。 以下△同銀に、▲56歩だと△55歩▲同歩△同銀▲79玉△64角の順または先ほどの△75歩の順どちらかの 選択権を△に与えてツマラナイので、▲79玉だと思いますが、そこで平凡な△55歩ではなく、 △35歩!と作戦変更を目論見、以下▲88玉なら△53銀!とし、▲56銀△34銀~44銀~64角と 3筋4筋方面を圧迫&戦場化する構想で、攻め筋の乏しい▲に堅さを譲り△1歩得+攻撃権を主張したいです。 結局、一目な▲45歩は、実際に鞘から抜くと小太刀程度で自分も傷つき兼ねない危険な手の様です。 その理由は▲△の布陣だから言える訳で、20△32金~△同一手順だとしても▲45歩の成立には、 2筋交換+▲36歩が必要となり、△33銀で戦果が大きいと言えるかどうか微妙だと思います。 従って29以降よほどの事態発生以外は、▲45歩の筋は決行しないでしょう。 ⇒対局中ここまで熟慮しているか否かは別として、着手+考慮時間だけ見れば24~44の本譜は、 81で▲△共に2段以上の立派な有段者の棋譜だと言ってもいいと思われます。 お二人には充分それだけの潜在能力があり胸を張って良いし、正直私なら大長考必至なのです。 ○44手目に指したい手は? ;まず一段落ついた42手目の形勢判断をしないと、勝負所なので今後の方針を立てられません。 具体的には玉の堅さはほぼ互角・中盤なので手得判定は軽視、という状況で、▲主張は手番のみ、に対し △主張は△攻▲守の銀交換・△のみ持駒2歩+両筋に打てる・飛車の働き度・有力手の豊富さ、の4点。 以上を総合すると、△指しやすい~有利と判断出来そうです。 少なくとも前項28手目/一局からの流れは、△に傾きつつある、と言えそうです。 対局中の▲△真相は別として、棋譜の着手+考慮時間のみの情報からは次の通り私は推察します。 43;25から一連の流れを読んでいた、反撃の勝負手で予定通り! =手番以外に主張が無い▲が実現可能な方針は、2通りだと思います。 1.玉を堅くして、流れをユックリにした後で反撃しよう ▲79玉~88玉とし、後は△着手に合わせて持駒の角銀で反撃かなあ 2.辛抱の連続で一寸▲苦しい流れの様だけれど、流れに乗って反撃しよう 待望の▲45歩か▲25歩みたいな攻の手を指せそうかなあ さらに比較検討して決断が必要な勝負所なので、次は具体的な読みの掘り下げです。 1-1.▲79玉△59角▲88玉△86歩▲同歩△同角成で△馬を作られて▲反撃無理そうだぞ? 1-2.▲68玉△95銀に▲77銀だと△86歩▲同歩△88歩がイヤらしいので▲88銀に以下、 △33銀▲79玉△44歩▲36歩△52金~天野矢倉に堅められると▲何も主張できないかも? 2-1.▲45歩△88歩▲同金△45銀▲46歩△27銀▲48飛△28角▲45歩△39角成で▲マズそう? 2-2.▲25歩は△88歩▲同金△27銀でもっとマズイ? ⇒えっ!?もしかすると今を逃すと反撃できないかも? 何と言っても、△88歩とか△86歩~87歩がイヤらし過ぎる 一番で目につく△急所は53の空間と、22か23に歩だが▲45歩▲25歩は駄目だから、どうしよう? もしも、お荷物の▲89桂を77~65~53両取りに使えたら、一石三鳥かもしれないぞ! 最も心配なのは桂頭狙いの△75歩で以下▲45歩△76歩▲65桂△77銀▲44歩で猛烈な攻合いとなり、 以下△78銀成▲同玉△89角▲同玉△87飛成▲88銀△67飛成▲53桂不成△31玉▲41銀となると、 非常に難解な終盤戦だが、ギリギリ1手違いは間違いない感じなので、本譜で勝負だ! 44;勝負所でのノータイム▲77桂に悩みに悩んで、△決断した勝負手返し! =△候補手は、いろいろあって当然の局面で、気づき長考した感性が素晴らしいと感じます なお手順等は先生から教えて頂けると思います ⇒私の対局なら、直接攻撃49角・最も筋がいい急所攻撃75歩・筋悪だが非常手段39銀の3手は考えます。 ほかの空振り88歩・▲玉から遠い55歩・難しすぎる33桂は、まず省略or思い浮かばない手です。 これは棋力が違うので仕方ありません(考えないより考えた方が良いと思います)。 さらに内緒のネタばらしに近いのですが、別に2手考え多分こちらが棋風の本命です。 ヒントは攻めではなく守りです(自分で思い浮かび想定手順が出たらPM下さい)。 経験則上、この局面でノータイム▲77桂にとてつもない怖さを感じる事が多い+△攻め合いは、 今の私では読み負けていそうで踏み込めないでしょうねえ。 恐らく高段なら負け難い=勝ち易いという感覚なので、普通の手です。 ○本局の事実上の▲敗着は?;初めて長考した4575同歩 次の△手は、▲取っても取らなくても△76歩が大本命なので、1手パスの大悪手になりました。 さらに本譜で43もお手伝いの悪手に再変換されてしまい、連続悪手&パスで勝ち目が無くなりました。 きっと▲に何か誤算&勘違い等があったんでしょうねえ。 59手目以降のコメントについては、△対局心理だったのならば全く文句の付けようが無いと考えます。 ○まとめ 局後検討する人が上達しないはずは無いと確信しています。 恐らくやり方等の工夫次第だと思います。 案の上なが~~い形になってしまいました。 これでもかなり短くしましたが、大変申し訳なく感じています。 ご参考になれば幸いです。
5: mdarg (1427) ☗7☗9☗32017-07-19 18:25
詳細なコメントありがとうございます。 先手を持って29手目はどうしようか、改めて考えてみましたが、ここはやはり▲45歩と突きたかったところに思えました。△同銀なら▲25歩で手を戻します。先手の77桂~65桂は有力な反撃筋ですが、65桂が駒に当たるとか、せめて53の地点を受けさせる形になってくれないと手になりません。また、さすがに飛車を遊ばせたままでは、桂だけ跳ねても屁の突っ張りです。▲45歩△同銀▲25歩が入ると銀ばさみのリーチがかかるので、後手の攻めを急かす意味でも指しておきたい手だと思います。 29手目に代えて▲79玉は難しい将棋になりそうですが、後手はここまで構えたら指したいのは△75歩、本譜でももしそう変化していたら7筋で仕掛けていたと思います。先手飛車と銀の位置関係が悪く、後手角さえ捌けば角打で攻めが繋がりそうな形で、遅かれ早かれ角は捌けそうな期待があります。あとは玉形評価ですが、右金保留のカニ囲い(本譜は屋敷流2枚銀=忍者銀の形ですが、阿久津流でも基本形です)は穴熊に似たところがあって、自分が攻め続けている限りは不可解に堅く、後手番でややムリをしているとはいえ相手玉に迫る指し方が勝ちやすい気がしています。反対にいえば「グチャっとした形のぶった切り合いなら自信があるよ」という指し方なのだと思います(なにしろ屋敷流ですから)。 本題の中盤ですが、43手目を見た瞬間に「これはこちらがよいはずだ」という直感がありました。具体的な順を読んでいるわけではなく、ずっと採用してきている忍者銀の形で、この形からの反撃が届いた試しはない、正しく受ければ金は取られても玉は詰まされない、という類推に過ぎません。その前提で44手目△49角を考えると、応じて▲86銀打の味がよすぎるように感じました。跳ねた桂馬が手順に8筋を受けており、継いで△39銀打の手筋に▲68飛△27角成と手を戻した局面は、先手に即何かあるわけではないようですが、相手に誘導され「他に攻めようがない」ならともかく、これは次点の指し方だなという見当をつけました。 ということで△75歩を読んだわけですが、正直なところどうすればどっちがよいのかわかりません。いくら読んでもわからないということは、これはきっと「難解」なんだと結論を出し、自分が一気に悪くする順がないかどうかだけ読み直し、おそらく悪くはならないという結論に至りました。49角打の方にもどちらかが明確によさそうな順はなさそうに見えます。実際のところ、着手までの4分近い時間の大半は「どっちを指しても難解」だろうなという結論を得るのに費やしています。 自分の読める範囲で「どっちも難解」なのであれば、勝負の形を重視するというか、自分の愚手で負けるよりは相手の巧手で負けた方が気分がいいし、ゲーム自体も面白いだろうと7筋勝負を決めて、しかし読み抜けがあったら悲惨なのでもう一度一気に悪くはならなさそうだと確認し、あとは自分の序盤に対する信頼感で指しました。悪くいえば「わかんないから直線的に攻める手を指した」わけですが、序盤から相手玉に向かって攻める姿勢は維持してきたつもりだったので、それが真っ直ぐな手だろうと思いました。もっと正直に言えば、どうせ読みきれないけど、これで悪くなるなら序盤が悪い、これで寄せきれないなら終盤が悪い、だから中盤の最善手はこれだ、とあまり合理的でない勢い重視の判断をしています。 ご指摘の守りの手は・・・どうでしょう、31玉はありそうですが右金が離れるのと飛車と玉が64角のラインに入る(64歩と桂を殺す手が一瞬消える)のが気になります。52金は相手に74角を打たせてから交換したいので指したくありません。左の金銀も動かない方が得そうです。面白そうな手というと33桂でしょうか。銀頭が安定しますし、これとセットなら玉寄りもありそうな気がします。ということで、守りの手は33桂から31玉、ということにしてみます(たぶん「2手」の意味が違うと思いますが、それしか思いつきませんでした)。 なお33手目▲45歩以下△同銀▲46歩△86歩▲同歩△同銀▲同銀△88歩打の局面をソフトで解析してみましたが、応じて▲同金がよいようで、以下△86角▲同角△同飛と進んで▲77銀か▲45歩か、ということのようです。どちらも恐ろしく際どい格好で、形勢は先手が微妙によいようですが、後手にも十分甲斐のある形に見えます。
6: tomycar (2330) ☗10☗9☗62017-07-22 01:35
丁寧な解説ありがとうございます。 矢倉△64銀急戦が、屋敷先生や阿久津先生のご愛用という訳で忍者銀なのですね。勉強になります。 ▲△いずれも本戦型を研究熟知しており、私の15分考慮を凌いでいると思われます。 両対局者のktyt72ponさん、mdargさん、魅力ある将棋を指して頂きありがとうございました。 今後も最新戦法のmdargさん奮戦記を特に楽しみにして居ります。
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