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先手: mdarg (1427) ☗7☗9☗3Icon mail off
後手: tomycar (2330) ☗10☗9☗6Icon mail off
対局開始日時: 2017-10-20 21:18:35 +0900
ルール: 角落ち 20分 + 60秒

この棋譜へのコメント

1: mdarg (1427) ☗7☗9☗32017-10-21 11:09

詳説自戦記 [角落ち下手]
※本譜は「初段を目指す会」の指導対局です。
サークル用に特別バージョンにしてみました。

1:上手の初手は飛車先。54歩から下手の出方に合わせるのが定跡ですが、あり得る出だしの1つでしょう。
4:下手三間飛車。
15:あまり見ない形で、上手6筋から銀を繰り出しました。
21:上手腰掛銀。仕掛けの権利がない上手とすぐに殴り合いたい形でない下手はともに、歩越し銀を避けるのが原則ですが、この銀出は下手もかなり難しいと感じました。ただし、初段を目指している方が角落ちの上手も経験してみようという場合には、難しすぎるでしょうから真似はしない方がよいと思います。
22:ひとまず、一気に仕掛けてもこちらが勝ちますよという形を作って手を戻しました。上手の右金の行方が気になります。
23:上手の作戦は4筋でした。
24:考え方はいろいろだと思いますが、本譜は4筋は謝ってもよいつもりで2筋3筋を押しました。上手が主張を作るなら下手も作り返すだけで、あまりムキになって対抗しない方がよいような気がしています(なにしろ凝り形が怖いので)。なお下手も左金保留ですが、これは最近お気に入りの形で、飛車を自由にしたまま玉頭の押し合いに集中できる利点があります(いざというときに8筋の受けにも使える)。平手で屋敷流2枚銀をメインにするようになった影響で始めました。
26:歩越し銀+4筋位取りなら咎めはこれ、と決めていた手です。片美濃は4筋が驚くほど脆いので、上手が得たポイントも小さくはありませんが、4筋は比較的奪還しやすい位でもあるので、悪くはならないつもりで指しています。
29:保留されていた右金が囲いにくっつきました。
30:上手は右四間でなければ中央の銀を繰り替える以外に攻められないので、片銀冠までは組めそうです。
32:これで、今すぐ殴り合っても玉形勝ちできますし、左金を寄せてへこみ銀冠~玉頭の位を取って銀立ち矢倉になれば作戦勝ちです。
33:上手いったん寄せた金を千鳥に6筋に転換しました。これも珍しい手で、金が3段目に上がったうえ銀を繰り替えたとき離れ駒になるため、陣形をまとめるのが非常に難しそうです。角落ちの上手で22玉型を選ぶと、陣形の隙を誤魔化す(消せはしない)のに苦労します。
34:左金を保留した効果や玉の近さもあって、上手左辺から下手右辺からの攻め合いになれば下手がよいだろうと玉頭の圧力を強めます。
35:上手73桂はいつか入れたい手ですが、ついに飛車のコビンが空きました。金が守りについていますが、囲いから1枚離れた損得は微妙に見えます。
36:後からソフトで解析したところ、68か59角、58金、37桂あたりが最善手候補のようですが、歩越し銀に圧力をかけるのも悪い手ではないようです。
39:思い切った金出で、まったく想定外でした。
40:駒の偏りを突いて88飛とか、上手仕掛けをほぼ放棄して専守防衛の格好(なけなしで6筋くらい)なので59金と待つ手もあったようですが、本譜も本筋候補だと思われます。後から考えると、この形での5筋攻めは桂香を拾えず細さが気になるので、見えていれば88飛だったかなという気はしますが、指しているときには見えていなかったので仕方ありません。
42:いつでも35角とぶつけますよという角引きですが、代えて56銀が勝ったようです。
43:というのは、この反発が機敏なのが理由。読み抜けで微妙にポイントを失いましたが、紛れてまではいないようです。
44:同歩も56銀もあり損得微妙。
45:用意の角出。形勢は開始時点から見るとやや紛れかかったくらいのようですが、上手にだけ一方的に難しい手を指させ続けられており、時間のリードをかなり作れたのでトントンくらいでしょうか(20分持ち切れたら60秒で、自分は10分ちょい残し、上手は次の手で秒読み)。
46:べらぼうに難しい局面です。後からソフトで検討したところ△43金上がると前に受ける手が最善手候補のようですが、さすがに見えないし見えても指したくないところでしょう。代えて△43銀引くは、以下▲44角△同銀▲54金打で先手もたないだろうということで感想戦での検討を打ち切りましたが、継いで△71角打というしぶとい自陣角があり、下手8筋の受けをいったん放棄しているため、紛れてはいないものの難しい局面だったようです(こちらも最善手候補の1つ)。本譜△同金は微差の次善手のようで、
50:ここまではほぼ一本道で進みます。
51:上手どうするのかなと思っていましたが、指されてみるとこれも止むを得ない手に見えます。こういう漠然とした局面でもっとも効果的な手を選べるのは見習いたいところです。
52:ひと目97香なども見えはしますが、ここで一番まっすぐな手が61飛成なのは間違いないところで、多少の優劣はあってもそれが通るなら指したいところです。後から調べたところ52歩打も意外と有力だったようですが、手を曲げてまで指すようなものではなさそうです。本譜は成立しているようで、下手わずかにリードを広げています。
54:しかし後で調べたところこれが緩手で、代えて▲52歩打△89馬▲78銀△馬逃げ▲51歩成と進めば下手懸案の攻めの細さが解消され優勢でした。上手の泣き所である攻め味のなさを突くべき局面だったようです。
55:しかししかし、秒読みに入った効果か上手に初めて明確な悪手が出ます。代えて31金と受けておくところでした。
56:チャンスの局面に痛恨の大悪手でした。いろいろ読んでいるうちになぜか「端は手抜けない」という誤った思い込みに落ち込んだようです。正着は▲32銀成△同玉▲78銀で、以下たとえば△88馬▲52歩打△62銀打▲41か72金打などと進めば下手勝勢(△97馬と守っても▲86歩△同馬▲83歩が激痛で、たんに▲51歩成も相当)、感想戦で検討した△88馬▲52歩打△57桂打▲51歩成△69桂成▲41と△43玉の順は▲69銀で寄りだったようです(65龍があるので上手玉が意外と狭い)。
58:紛れましたが、幸いまだ悪くはしていませんし、端は食い破れました。
65:ごちゃごちゃとした局面が続いていますが、後から調べたところ実は持ち直していました。
66:上手玉が狭くなったので、代えて▲13歩成が機敏だったところ。以下△同香▲同香成△同桂▲14歩打△12歩打とお約束の進行から、▲13歩成△同歩▲35香と真っ直ぐに攻めても、途中で▲59金と銀を駒台に乗せに行っても下手好調だったようです。
76:ズルズルと悪くする中、後から調べてわかった最後のチャンスがここでした。代えて▲12歩打から△同香▲13歩打△19香成▲12歩成△同玉▲17香打△14歩打▲13歩打△22玉▲19玉などと端の主張にすがれば、まだまだ指せたようです。
84:応じて△53飛くらいでなんでもなく、勝負手というよりお願いに近い感じでしたが、
89:上手らしく鋭い即詰みであっと声が出ました。
89:ここで投了すべきところでしたが、詰みを確認しているうちに秒を読まれ、時間切れにしてはいけないと思い1手だけ指しました。

本譜は、銀をタダ取り(させるつもりがなくて指したのですが)させてまで突破した端の主張を、結局生かすことができませんでした。56手目はもちろん反省すべきですが、66手目に巻き返しを図れなかったことや54手目の緩手は大局観のなさの表れだと感じます。指導対局ならびに詳細な感想戦をしていただいたtomycarさんに、改めてお礼を申し上げます。

2: tomycar (2330) ☗10☗9☗62017-10-22 00:20

mdargさん、コメント拝見致しました。
詳細なご検討で、ありがとうございます。(私は奮戦記スタイルが好みですね)
お試しを解析されると今後どう指導したら宜しいか苦悩しそうですが、本局テーマは連発のつもりだったんですけどねえ…
次局②挑戦を楽しみにして居ります。
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