Tournament: 第10回世界名手選手権大会予選
Sente: orihime (2053) ☗5☗9☗11
Gote: kukudaidai (1926) ☗1☗9☗9
Game started at: 2017-05-30 15:05:37 UTC
Game rule: Rated, 15 min + 60 sec
Sente: orihime (2053) ☗5☗9☗11
Gote: kukudaidai (1926) ☗1☗9☗9
Game started at: 2017-05-30 15:05:37 UTC
Game rule: Rated, 15 min + 60 sec
Comments for this game
1: orihime (2053) ☗5☗9☗112017-05-30 17:53
陽動振り飛車と棒銀 kukudaidaiさんとは何度か対局していますが、前局がこちら先手居飛車で敗れていました。 後手の作戦が手ごわい作戦であることを認識してリベンジに臨んだはずですが……。 〇振り飛車党は欲張り 振り飛車党が飛車を振る理由は何でしょうか。 個人個人に考え方があるでしょうが、振り飛車党は概ね考え方のベースが欲張りなのだと思います。 先後が似たような形になる相居飛車では満足せず、自分だけ堅く囲いたいとか、相手が手数をかけて攻めてきたところで捌いて平等交換すれば得になるとか。相居飛車にあるような、攻めたら攻めただけ反撃されて自分も危険になるというのを受け入れたくないのだと思います。 〇陽動振り飛車党 そんな振り飛車党の中でも、陽動振り飛車を志向するのはかなりの変わり者でしょう。 陽動振り飛車は非常に欲張りです。相手に対居飛車の構え(矢倉)をさせてから振り飛車にしようという発想です。けれど欲張るからこそ相手と主張がぶつかり合って、将棋が面白くなります。 先手の私は、陽動振り飛車を目指して2筋の歩を突きます。 〇飛車先の歩を受けない 本局の後手もまた、欲張りな序盤戦略です。 先手が飛車先の歩を伸ばしているのに、左銀を中央に繰り出します。3三の地点に銀が縛られるよりも中央に活用したほうが働いているという主張だと思われます。 ここで、陽動振り飛車党の先手とは真向から主張がぶつかります。 〇棒銀で攻めつぶす 先手は飛車先の歩を突いて、相手を対居飛車の構えにしようとしています。受けなきゃだめでしょ、と。 しかし後手は、がっちり受けるのではなく銀を繰り出して中央志向の態度を見せます。 こうなると、先手がいまさら振り飛車にするわけにはいきません。2筋を突いた手が無駄になるからです。結果、受けないなら攻めつぶす、というのが当然の発想として出てきます。 棒銀での強攻は、陽動振り飛車党の裏芸と言えます。 〇27手目 さて、本局のポイントの1つは27手目だったと思います。 技を効かせたつもりの▲8七歩が、逆効果になってしまいました。 35手目に長考していますが、再度▲8七歩を考えると△2五歩▲2八飛△3四歩のようにじっくり指されて劣勢になると思いました。▲2三銀しかないなと思いながら、成算がなくて躊躇していました。 ここで▲2三銀と行くしかないなら、27手目に▲2三銀でよかったと思います。 その場合、後手の歩が一手早くと金になりますが、▲4二角の王手飛車取りが狙いにあって、先手がいいように見えます。 〇41手目 また、本譜の場合、40手目2八飛が厳しい攻め手ですが、ここで41手目▲3九金とするべきでした。 △8八飛成からの二枚替えがまだ詰めろにならないので、▲2二飛と攻めあえば先手が余しているように見えます。 ▲9七角はそれほど厳しい手ではなく、次の寄せが難しい形になりました。 66手目△7一金が詰みを逃した手で、最後は逆転になりましたが、短手数の激しい中盤でこちらが反省すべき内容の将棋でした。 次にこうした戦型に出会ったときにはなんとか棒銀で攻め倒したいものです。
2: nabla8 (1958) 2017-05-30 23:56
1.後手の59手目は、大きなミスと思えます。(時間に追われたかは、定かでありませんが) 寄せとは思えない不要な△49金で相手に手ごまを渡し、自玉を危険にさらしています。 2.△59手目は、89竜とただで取れる桂を取りながら挟撃体勢を敷く、寄せの基本に思えます。
3: orihime (2053) ☗5☗9☗112017-05-31 03:53
56手目ですね。 たしかに駒を渡さずに網を絞ったほうが安全で、本筋の寄せに見えますね。 ただ、後手は金を渡してもまだ余裕がありました。すでに勝勢の後手はその後もいろいろ勝ち筋があったはずですが、秒読みの中でリズムを崩してしまったのかもしれません。
4: nabla8 (1958) 2017-06-02 03:49
1.66手目は、先手玉に即詰みがありますが、57竜からのからの手順は、65へ只で銀を捨てる手順であり、実戦では読みきれないと思われます(15~17手詰)。 実戦では、48竜の手順を読みたくなりますが、この対局に於ける後手の方は48の地点が読み筋から外れていると推察されます。その根拠は、△72手目に48金とし、48竜で勝負する手を考えていないことです(レートからすれば気付く手順ですが、たまたま精彩を欠いたと思われます)。 2.前に戻って、先手の61手目▲86歩は、竜が逃げてくれると考えた、勝手読みに思われます。 62手目、後手は、竜を逃げずに△56桂▲同歩△57金で必至になります(必至講座の基本形)。
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