将棋雑感 その1
nabla8 (1958) 2023-07-04 14:55
長年、囲碁(40年以上)と将棋(70年以上)を楽しんできました。 囲碁は時間要素がありませんので、白または黒「何目勝ち」と地の数で示します。 400年以上の歴史を持つ日本の伝統的な文化と称されます将棋は、勝敗を示す専門用語が定まっていないように感じます。 なお、勝敗を示す用語以外にも幾つかの疑問点があります。 日本将棋連盟ホームページより <将棋とは> 二人で行い、勝敗を競うゲームです。将棋を行うことを「将棋を指す(さす)」といいます。 囲碁は「打つ(うつ)」ですが、「将棋を打つ」とはいいません。また、将棋を指していることを「対局(たいきょく)」といいます。将棋を一回指す事を「一局(いっきょく)」といいます。 二人が「盤」の上で交互に「駒」を動かします。そして相手の「玉将(ぎょくしょう)」という駒を先に捕獲したほうが勝ちとなります。 (本将棋編で、決着のつけ方で「詰み」という言葉がでてきます) ・盤上の駒を動かす場合は、「指す」ですが駒台の駒は「打つ」と言います。 ・将棋の専門用語は「詰み」と理解しています。 ・勝敗を決める「詰み」は将棋特有の用語なのです。 囲碁でも「詰碁」という表記がありますが、非常に違和感があります。 囲碁は「死活」であり、白石または黒石が「詰んだ」とは一切使用しません。 「詰碁問題」との表記は、使用しない言葉である「詰め」を使用していますが、合理性に欠け「石の死活問題」とするのが合理的と思われます。 但し、囲碁の死活は「部分的な勝敗」であり、囲碁対局の勝敗は「地の大小で決まります」 日本の2大ボードゲームで勝敗に「詰み」を使用するのは将棋だけです。 投了優先・反則負けなどは囲碁も将棋も共通です。 (この疑問をウィキペディアで検索、「詰碁」の語はおそらく「詰将棋」の影響によって日本で作られたと考えられる。囲碁の死活には「詰める」という言葉を使わないため) 囲碁との対比が使われますが、以上のことを踏まえても将棋の勝敗は先に相手玉将を「詰ませた」方が勝ちであり、その詰みの状態が玉将を「捕獲」した状態と解説すべきと思います。 (更に詳しく、「数、多ければ勝つ」の原理に基づき、「相手方2に対し玉将側1」の状態が捕獲と説明します) 日本将棋連盟は「詰み」という将棋の専門用語を前面に打ち出していただきたいと思う次第です。 <勝敗の用語の変遷> 最初に調べた時点での勝敗の決め方は相手の王将を先に「取った方」が勝ちでした。(最初は2016年頃) 次に調べた時には、「取る」から「捕獲」した方が勝ちになっていました。 最近(2022年頃)調べますと、「決着のつけかた-王手と詰み」で以下の説明。 将棋は、先手と後手が交互に指し、最終的に相手の玉将を取ったほうが勝ちとなります。ただ、実際に玉を取るまでは指しません。相手が何を指しても次に玉を取られる状態を「詰み」といいます。「詰み」になった時点で将棋は終わります。 2023年6月に調べますと、捕獲に変わっていました。 「取る」は専門家以外の庶民が子供達に教える際に「取る」と教えていましたし、終戦間もない頃に将棋を覚えた私も「取る」と教えられてきました。 都会に出てきてからは「取る」から「詰み」に変わっていました。 アマチュアでも終局は「詰み」であり、「投了」が優先することが行われてきました。 将棋を教育に導入する件や世界普及を目指す将棋連盟が「勝敗の決定」の説明がフラフラと揺れ動くのは由々しき問題と思えるのです。 10年間にも満たない短期間で勝敗を決める重要な「専門用語」が変わるのは異常なことですので、新会長の下で検討を重ね論理的で明確な勝敗の定義を示して頂きたいと願っています。