この棋譜へのコメント
1: nabla8 (1958) 2018-11-19 11:02
<第一回幻位戦ハンディ対局> 1.上手の83手目、△47銀は疑問手、これに対し、▲78飛は勝機を掴む素晴らしい判断でした。 2.△56銀成▲74飛△63玉となり、下手にとっては中段玉の難解な寄せの局面です。 87手目に残り時間を全部使って、▲75金を選択しましたが、1回お休みに等しい疑問手でした。 3.87手目は、▲44角がよく、これで下手が勝っていたのです。▲44角は詰めろになっていますので、△同金しかないのです。 以下、△44同金▲同飛、受けが無いので△57成銀としますが、▲74金以下の並べ詰みになります。 (手順例、▲74金△53玉▲43金△62玉▲63銀で、何処へ逃げても頭金までの即詰みです) 4.100手目、本譜は、▲58金と受けますが、△67歩成以下の寄せがあり、▲69玉の早逃げも△87角打ち以下の即詰みになった。 なお100手目は、▲53竜とする手があったが、秒読みで発見できなかったと、推察されます。 5.顧みて14手目の▲36歩は疑問です。上手の固いところを攻めようとしています。▲36歩の手では、▲16歩と端に狙いをつけた攻めの構想が勝ります。 ①▲16歩→△54歩→▲15歩→△22金→▲56歩→△53玉→▲31角→△44歩→▲14歩→△同歩→▲同香→△24歩→▲18飛として端を破る構想です。 ②なお、△24歩を▲同角と取るのは、ややこしくなります。これは一例ですが、同様な含みで端を攻撃します。 6.24手目は、一見、▲44角がありそうに見えますが、△43玉とかわされると、不発に終わります。 7.49手目の△46歩は、下手の銀の働きを封じるためです。慌てて▲47歩と合わせと、上手のペースになるので要注意です。 8.79手目は、△47歩成を読んでいたのですが、本譜の手順に予定変更になりました。△47歩成▲同銀△57銀成の方がよいように思えた。 ※最終局面を見て気付くことは、両端の歩が攻撃に参加していないことです。 この状態で善戦した内容から推し量りますと、地力は9級よりも上と思います。 <参考事項> ※下手の初手76歩は、100点の手です。2枚落ちまでの大ゴマ落ちでは角道をあけることが最優先の手です。8枚落ちですと、その効果が絶大であることを明確に示せますが、6枚落ちでも、相当な効果があります。 ①8枚落ちの場合、32金▲76歩72金▲66角82金▲26歩52玉▲25歩で、上手は歩を突く事ができません(突いても、24歩からの十字飛車で取られてしまうのです)。 下手は、「▲16歩→▲15歩→▲14歩と進め」△同歩とさせて、▲24歩→△同歩→▲24飛→△22歩→▲14飛として 飛車の成りこみを狙い、と金をつくり攻めていけば勝てるのです。 ②6枚落ちの場合、△32金▲76歩△72金▲66角△82銀▲96歩△74歩▲95歩△64歩▲56歩△52玉▲94歩同歩同香と、端を攻撃します。 感想戦にお付き合いいただき有難うございます。 詰め将棋をやると、上達が早いですよ。
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